現在の我が家のリスク資産ポートフォリオは10銘柄から構成されていますが、将来の取り崩しを簡単にするため、できるだけシンプルなポートフォリオにしようと、ここ数年は全世界の株式クラスを対象としたeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)をメインとして積立ています。
このクラスは少し前までまともに使えるファンドが無かったのですが、2017年設定の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)」をきっかけに、ここ最近低コストのものが出てきており注目が高まっています。
全世界株式クラスを対象としたインデックスファンドにどの様な特徴があるのか、今後の積み立て銘柄の参考に、つみたてNISA対象ファンドの情報をまとめておきます。
主要全世界株ファンドのトータルリターン比較
投資対象の指数ごとに、主要な全世界株式インデックスファンドのについて、2021年01月31日時点のトータルリターンをまとめました(データはモーニングスターより。青字が良いもの、赤字が悪いもの)。
あくまで「過去の」トータルリターンを見た印象ですが、このレベルになるとどれを選んでも大差が無く問題ないという感じです。
日本を含むか除くかどちらが良いかは、日本株に対する個人の事情によるところが多いでしょう。MSCI指数の配分が良いか、FTSE指数の配分が良いかは、難しいところです。
あえて言うなら、指数の使用料が安いFTSE指数の方が、投資家のリターンを向上する可能性がありそうですが、確実な正解は無いでしょう。
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
さて、私の本命、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)は純資産額1,000億円を突破しました!これにより1,000億円以上の部分については、信託報酬が0.103%となります。
投資対象のMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)は大型株・中型株を投資対象としており、他で採用されているのFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスと異なり小型株を含みません。
- 投資対象:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)
- 信託報酬率:年率0.11%(税込)
- 信託財産留保:なし
- 純資産額:1,082億円
- 設定日:2018年10月31日
当ファンドは「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」で2年連続の第一位を獲得するなど、個人投資家から非常に支持されています。
実際に、月次の資金流入はきれいな右肩上がりです。直近では100億円を突破する人気ぶり。
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の魅力
ファンドの詳細については別に記事を書いていますが、全世界株インデックスファンドが多数揃ってきた中で、私が考える当ファンドの主な魅力は以下の4点です。
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マザーファンドも含めて十分な運用実績と資産規模があり、長期の安定運用が期待できる。
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FOF(ファンド・オブ・ファンズ)ではなく、シンプルな自社マザーファンド方式のため、余計なコストが乗らず、安定運用が期待できる。
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業界最低水準のコスト及び資産規模に応じて信託報酬を下げることを約束しており、長期に運用成績に寄与することが期待できる。
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代田常務を筆頭に、中の人がファンド作りにかける熱い思いを積極的に発信している。
つみたてNISAなどの長期投資を考えると、最低限20年後も残っているファンドを選ぶ必要があります(純資産残高や、資金流入額は人気バロメーターとして大事)。
将来の成績についてはどのファンドが良いか、事前に正解はわからないので、長期運用に良さそうだという期待値が比較的高いものを選ぶしか無いですね(コストが安い、安定運用)。
結局、最後の最後は好みなのかなと思います(作り手の顔が見えたところで、直接リターンには寄与しないのですが、大切なお金を信じて託す訳ですから)。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) は日本を除く先進国及び新興国の株式に投資します。つみたてNISA対象商品。
- 投資対象:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)
- 信託報酬率:年率0.11%(税込)
- 信託財産留保:なし
- 純資産額:444億円
- 設定日:2018年3月19日
後述の「eMAXIS 全世界株式インデックス(注:Slimでない方)」をそのまま信託報酬コストを下げたものです。2018年と比較的新しい設定ですが、他のeMAXIS Slimシリーズと同様、運用面で不安はありません。
資金流入は本家eMAXIS 全世界株式インデックスを大きく抜いて、好調に推移しています。
日本株は個別株など別に投資するという方は、購入候補の一つと考えて良いでしょう。
eMAXIS 全世界株式インデックス
さて、eMAXIS 全世界株式インデックス(注:Slimでない方)は、日本を除く先進国及び新興国の株式に投資します。つみたてNISA対象商品。
- 投資対象:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)
- 信託報酬率:年率0.66%(税込)
- 信託財産留保:0.05%
- 純資産額:115億円(2021年2月21日現在)
- 設定日:2010年7月20日
10年以上の運用実績は安心できます。
実際に当ファンドが投資する先は三菱UFJ国際投信の「外国株式インデックスマザーファンド」と「新興国株式インデックスマザーファンド」となっており、eMAXISやeMAXIS Slimシリーズと共通のため十分な資産規模があります。
ただし、Slimでない方のこのファンドは信託報酬率が割高なので、全く内容が同じで低コスト版のeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)か、日本も含むeMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)のどちらかを購入すべきです。ややこしいので注意しましょう。
月次の資金流入額は1億円前後となっています。
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスは日本を除く先進国及び新興国の株式に投資します。つみたてNISA対象商品。
- 投資対象:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)
- 信託報酬率:年率0.28%(税込)
- 信託財産留保:なし
- 純資産額:481億円
- 設定日:2011年4月18日
「三井住友・DC全海外株式インデックスファンド」の名称で運用されていましたが、2017年9月に名称が変更されました。
eMAXIS 全世界株式インデックスに次ぐ長期間の運用実績があります。
ちなみに同じ投資対象である、eMAXIS 全世界株式インデックスよりも、三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンドの方が常に好成績です。
当ファンドは新興国株式クラスのマザーファンドが現物ではなく先物で運用されている点で、賛否両論ありましたが、2021年1月21日付け月報によると現物比率は76%まであがってきており、なんだかんだで、毎月の資金流入は伸びています。
野村つみたて外国株投信
野村つみたて外国株投信は日本を除く先進国及び新興国の株式に投資します。SBI証券や楽天証券ほかで購入できますが、スポット購入ができず、積立て専用となっています。つみたてNISA対象商品。
- 投資対象:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)
- 信託報酬率:年率0.21%(税込)
- 信託財産留保:なし
- 純資産額:289億円
- 設定日:2017年10月02日
運用報告書を見ても非常にしっかりと運用されている印象です。問題は、積立専用となっているため使い勝手が悪いことですね。
資金流入はeMAXIS Slimや三井住友DCに劣りますが十分な金額であり、またスポット入金が無い分、もしかしたら運用面では入金額が予測しやすくプラスに働いているのかもしれません。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)
楽天・全世界株式インデックスファンド(楽天VT)は、日本を含む世界の株式に投資します。つみたてNISA対象商品。
- 投資対象:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)
- 信託報酬率:年率0.132%(税込)+VTの経費率年0.08%程度
- 信託財産留保:なし
- 純資産額:750億円
- 設定日:2017年9月29日
投資対象がインデックス投資家のリーサル・ウェポンと言われる、バンガード社のETF「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」ということで、設定当初はこのクラスで一番人気でした。また、MSCI ACWIと異なり、小型株を含む点でも人気があります。
ただし、当ファンドはVTをラップして投資信託とし売っている訳ですが、第一期の実質コストは年0.48%程度と嵩んでしまい、折角のVTの超低コストを殺してしまっていることや、ファンド・オブ・ETFならではの運用の難しさ(指数への連動性)などが気になるところです。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))は日本を含む世界の株式に投資します。つみたてNISA対象商品。
- 投資対象:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)
- 信託報酬率:年率0.0682%(税込)+年0.042%程度
- 信託財産留保:なし
- 純資産額:164億円
- 設定日:2017年12月6日
旧「EXE-iつみたてグローバル (中小型株含む) 株式ファンド」がテコ入れされ改名した商品です。
楽天VTと同様にFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスを投資対象とし、実際にはETFに投資しているのですが、こちらは米国株+先進国株(米国除く)+新興国株の3つのETFを組み合わせている点、及び低コストに拘った商品設計が特徴です。
ただし、3つのETFを組み合わせるというのは、指数への連動性(トラッキングエラー)や実質コストの面で楽天VTよりもさらに大変なんじゃないかな?
第3期運用報告書(2020年11月決算)によると運用面で特に問題は無いようですが・・・。
販社も以前はSBI証券オンリーだったものが、現在は増えたとは言え、ネット証券に限られてしまっている点が気になり私は手を出していませんが(今後の主力はネット証券にシフトすると考えると、長期的には問題ない?)、コンスタントに毎月10億の資金流入があるまで成長しました。
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