三菱UFJ国際投信の「eMAXISインデックスファンドシリーズ」(Slimじゃない方)の運用報告書が更新されています。
これから新規にeMAXISバランスを購入する場合は信託報酬コストの安いSlimの方を購入するべきですが、Slimバランスの設定は昨年5月ということで、最初の運用報告書まではまだ少し時間があるので、オリジナルの方で運用状況をチェックします。
ちなみにeMAXISバランスには均等配分の8資産均等型と、トレンドフォロー戦略によりアセットアロケーション比率を機動的に変える波乗り型の2種類がありますが、eMAXIS Slimシリーズでは8資産均等型のみが設定されています。
また、eMAXISバランスには更に2資産均等型、4資産均等型、最適化バランス、マイマネージャーシリーズがありますが、特におすすめはしない為、今回は割愛します。
資産配分の推移
8資産均等型は国内外(新興国含む)の株式、債券、REITにそれぞれ12.5%ずつ配分の固定比率で変動ありません。
波乗り型は8資産への基本配分(70%)に加え、国内株式・債券、先進国株式、新興国株式についてはトレンドフォロー戦略として過去25営業日で騰落率の良いクラスに投資しますが、今期(2017年1月27日~2018年1月26日)の各資産クラス配分は、下図の様にかなり大きく変動しました。
運用成績(基準価額の推移)
今期1年間の騰落率は、8資産均等型+12.3%、波乗り型+11.4%、イコールウェイトの参考指数は+12.4%となりました。分配金はいずれも0円。
少なくとも、5期連続で波乗り型は8資産均等型に負けています。
eMAXISバランス(波乗り型)の様に機動的に資産比率を変えるファンドがありますが、過去に遡ってのバックテストでは有効に見えても実際には継続的にフォーマンスを上げるのは難しいという事をよく表している結果です。
費用の明細
eMAXISバランス8資産均等
信託報酬 103円、売買委託手数料 2円、有価証券取引税 1円、保管費用等 8円、概算実質コスト0.602%
eMAXISバランス波乗り型
信託報酬 96円、売買委託手数料 2円、有価証券取引税 1円、保管費用等 8円、概算実質コスト0.600%
信託報酬以外にかかる費用を含む実質コストは安定しています。
eMAXISバランス8資産均等の実質コストは信託報酬0.545%に0.057%上乗せされているレベルなので、おそらくeMAXIS Slim バランスの方も実質コストは0.2%台に収まってくるのではないでしょうか。
メジャーな海外ETFであるiシェアーズ MSCI コクサイ ETF(TOK)の経費率が0.25%なので、このコスト水準がいかに安いか。
下手に自分でファンドを組み合わせてアセットアロケーションを組むよりも、バランスファンド1本にお任せすれば良い時代がそこまで来ています。
純資産額の状況
本日現在の純資産額は以下の通り。
eMAXISバランス8資産均等 257億円
eMAXISバランス波乗り型 38億円
<月次資金流出入>
(モーニングスターより)
8資産均等型はSlim設定以後も順調に資金流入がプラスで推移しています(対面型証券や銀行ではまだまだニーズがある)。
一方で波乗り型は昨年の月次資金流出入はマイナスかプラマイゼロ付近となっており、成績が振るわない事が流出超過の理由なのでしょう。
バランスファンドでは先日決算を迎えた世界経済インデックスファンドが500億円以上の純資産を集めており人気ですが、8資産均等型のさきがけであるeMAXISバランスとSlimバランスがこの後どう伸びていくのか興味深いです。
ちなみに、うちの妻は以前は世界経済インデックスファンをつみたてていましたが、つみたてNISAではeMAXIS Slimバランスにつみたて銘柄を変更しました。
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