先日、山崎元さんの「初心者向きはウソ。バランスファンドの7つの注意点」という記事がアップされました。
山崎元さんの主張は上記の記事タイトルの通り。
初心者にはバランスファンドが向くというのはウソだと、以前から変わらない、理屈の通った内容なのですが、私は必ずしも合理的な行動が正解とは限らないと思っています。
バランスファンドは本当にダメか?
例えば、うちの妻は投資には全く興味が無い永遠の初心者ですが、それでも2008年にバランスファンド1本でつみたて投資を始め、運用成績も見ない放ったらかしぶりで(途中で銘柄変更を行っていますが)、現在そこそこ増えている状況です。あれこれ考えている私のほうが負けている時期もありました。
彼女にリスクを考えてアセットアロケーションを組みなさいとか、リバランスをちゃんとしないとダメだと言っても所詮無理な話で、やはりバランスファンドのお陰でリスク資産投資ができているんですよね。
現在妻は、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)をつみたてNISAで購入しています。
バランスファンドを入り口として、物足りなくなれば、自分で勉強してより良いファンドを買えば良いし、逆に自分なりに考えて投資行動をした後、結局バランスファンドに任せしてしまえばイイやという結論にたどり着く方も周りに居ます。
バランスファンドも、要は使い様ですよ。
バランスファンドもコスト低下が進んでいる
バランスファンドを選ぶ際には、運用方針(どの程度のリスクを取るか)が一番大切ですが、もう一つ大切なのはコストがどの程度かかるか。
将来のリターンは不確実ですが、コストは確実にリターンを蝕みます。
バランスファンドはファンド単品を自分で組み合わせるより割高であるとか、債券部分は自分で個人向け国債でも買ったほうがコストが安い等言われていますが、最近はバランスファンドも低コスト化が進み、信託報酬0.1%台のバランスファンドが出てきていますので、下手なファンドを自分で運用するよりよっぽど良い成績を残すかもしれません。
最近登場した低コストバランスファンド
2018年から始まったつみたてNISAでは、金融庁が採用ファンドの要件をある程度厳しく絞ったため、バランスファンドの信託報酬コスト(運用管理費)も急速に低下しました。つみたてNISAの対象となっているバランスファンドから8資産型について、以下にまとめます。
ちなみに過去にこのクラスを牽引してきたバランスファンドについては、下記記事を参照下さい。
つみたてバランスファンド
りそなアセットマネジメントの「つみたてバランスファンド」は国内外の株式・債券・リートの8資産に投資するファンドです。均等配分ではなく、株式55%、債券30%、リート15%の傾斜が付いています。
信託報酬年率0.2106%(税抜 年率0.195%)
コストも安く、資産配分も株式重視で私好みですが、つみたてNISA専用という事で、資金流入が限られます。また、販社がりそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行に限られているので、純資産が順調に増えるかどうかは未知数です。
※追記:2017年11月28日よりSBI証券での取扱いが始まりました!つみたてNISAに限らず購入可能です。間口が広がった事で今後注目されると思われます。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
三菱UFFJ国際投信の「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は国内外の株式・債券・リートに均等配分するバランスファンドです。
信託報酬年率0.2268%(税抜 年率0.21%)0.17172%(税抜 年率0.159%)
2017年5月9日に設定された比較的新しいファンドですが、もともとeMAXISバランスファンド(Slimじゃない方)で十分な実績があり順調に運用されています。
私がつみたてNISAをバランスファンドでやるならeMAXIS Slim バランスが本命。
投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018では、バランスファンドでは最上位の第5位を獲得しました、。
三井住友DCつみたてNISA世界分散ファンド
三井住友アセットマネジメントの「三井住友DCつみたてNISA世界分散ファンドは国内外の株式・債券・リートの8資産(ヘッジ外債を1資産にカウントした場合)に投資するファンドです。均等配分ではなく、株式40%、債券40%、リート20%の傾斜が付いています。
国内債券クラスに比べて外国債券クラスが手厚く、一部はヘッジされているのが特徴。
信託報酬年率0.2268%(税抜 年率0.21%)
2017年10月3日設定の新設ファンド。
たわらノーロードバランス(8資産均等型)
アセットマネジメントONEの「たわらノーロードバランス(8資産均等型)」は国内外の株式・債券・リートに均等配分するバランスファンドです。
信託報酬年率0.2376%(税抜 年率0.22%)
こちらも2017年7月28日設定の新設ファンド。たわらシリーズはマザーファンドがしっかりしているので、運用は安定していると思います。
iFree8資産バランスファンド
大和投資信託の「iFree8資産バランスファンド」は国内外の株式・債券・リートに均等配分するバランスファンドです。
信託報酬年率0.2376%(税抜 年率0.22%)
既に1年以上の運用実績があり、純資産額55億円。
第1期決算の運用報告書が出ており、その他コストを含む実質コストは0.44%となっています。トータルとしては悪くない値ですが、新興国株式クラスの保管費用が嵩んでいる点がもったいない。
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