※データを最新にアップデートした記事があります。
バランスファンドのリスク・リターン情報を前回まとめてから1年が経過していました。情報をアップデートしておきます。
ここ最近のバランスファンドの注目はやはり、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)が信託報酬0.22%の超低コストで登場した事ですが、まだ運用実績が無い為、今回のまとめには含んでいません。
主なバランスファンドのリスク・リターン一覧
下表のバランスファンドの選定基準は、インデックス型であり、ノーロード(購入手数料無料)かつ信託報酬など維持費用が低コストのもののうち、1年以上の運用実績がある6ファンドです。
項目 | セゾンバンガードGBF | SBI資産設計(育成) | 世界経済インデックス | eMAXIX(均等) | eMAXIS(波乗り) | ニッセイ・4資産 | |
運用管理費用(税込) | 0.5076% 実質0.68% |
0.7344% | 0.5400% | 0.5400% | 0.5400% | 0.3672% | |
信託財産留保 | 0.1% | 0.15% | 0.1% | 0.15% | 0.15% | なし | |
純資産額(億円) | 1335↑ | 253.9↑ | 295.2↑ | 215.2↑ | 36.5↑ | 14.0 | |
トータルリターン (年率換算) |
1年 | 6.86 | 5.08 | 8.55 | 6.40 | 5.16 | 6.92 |
3年 | 4.89 | 6.27 | 3.84 | 5.77 | 4.08 | – | |
5年 | 11.02 | 11.68 | 9.61 | 10.88 | 10.09 | – | |
標準偏差 (年率) |
1年 | 11.96 | 9.05 | 9.82 | 8.32 | 7.64 | 9.24 |
3年 | 11.17 | 9.44 | 11.25 | 9.78 | 8.40 | – | |
5年 | 11.40 | 10.25 | 12.02 | 10.83 | 10.26 | – |
※「モーニングスター」より本日現在のデータを当ブログで加工
セゾンバンガード・グローバルバランスファンド
「セゾンバンガード・グローバルバランスファンド」は内外株式・債券にそれぞれ時価総額比に基づいた資産配分。
他のファンドに比べて純資産規模が断トツで大きく1000億円を超える純資産規模となっており安定運用されている事が特徴です。
規模が大きくなった事で、投資先のバンガードのファンドがより低い手数料が適用されるクラスに変更されるなど、良い循環で運用がされているのではないでしょうか。顧客本位の経営理念も評価されこれだけの資金が集まっていると思います。
懸念点を挙げるとすれば、独立系投信会社の為、2本のファンドに会社の経営がかかっている事。
SBI資産設計オープン(資産成長型)
スゴ6の愛称が着いた 「SBI資産設計オープン(資産成長型)」はREITを含む6資産配分型。
資金流入は恒常的にプラスを維持しており、安定した成績をあげています。
また新興国株・債券を含まず、内外REITを20%含んでおり、ここ数年REITの調子が良かった事もあり成績は良いです。シャープレシオ(リスクに見合ったリターンをあげたか)の点で見ても優秀。
残念ながら純資産額はこの1年で兄弟ファンドの世界経済インデックスファンドに抜かれています。
やはり、販売チャンネルがSBI証券に限られている点で永続性が不安要素です(純資産規模は十分なのですぐに問題があるわけではない)。
世界経済インデックスファンド
「世界経済インデックスファンド」はSBI資産設計オープンと同じ三井住友TAMが運用する兄弟ファンド(マザーファンドが同じ)。
REITを含まず、新興国株・債券を含む6資産配分型。
こちらの方が後発の為、信託報酬率が低く設定されています。また販売チャンネルが限定されていない事も安定した資金流入が見込めると思います。
新興国を含む点で好みが別れるところですが、昨年は新興国株の調子が良く成績に寄与しました。うちの妻が唯一購入しているファンドです。
三井住友TAMではもう一つ兄弟ファンドの「SMT インデックスバランス・オープン」が後発で設定されています。こちらは全部込みの9資産タイプですが、あまり話題化する事なく埋もれてしまいそうです。
eMAXISバランスファンド(8資産均等)
後発ですが非常に勢いのある「eMAXISバランスファンド(8資産均等)」です。
eMAXISシリーズのインデックスファンドをバラで購入した場合よりも運用管理費用が安いというのが大きな特徴。
どのアセットクラスが調子が良いかは毎年バラバラであり、当ファンドの様な均等配分のアセットアロケーションはシンプルですが比較的良い成績を残しています。
今年の5月より、同じマザーファンドに投資するのですが信託報酬コストを大幅に下げた「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」を設定した事で、今後はそちらにシフトしていくと思われます(今からコストの高い方を買うのは意味なし)。
eMAXISバランス(波乗り型)
「eMAXISバランス(波乗り型)」はトレンドフォロー戦略というタクティカルアセットアロケーション(戦略的にアセットアロケーションを変更する)を行うバランスファンドです。
運用報告書によるとタクティカルアセットアロケーションだがらと言って余計なコストが嵩んでいる訳ではないのですが、成績からはタクティカルアセットアロケーションが必ずしも上手く機能している訳では無いようです。
ニッセイ・インデックスバランスF(4資産均等)
インデックスファンドの低コスト化を推めるニッセイAMによるバランスファンド「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」。
4つの資産(国内株式、国内債券、外国株式、外国債券)への均等配分という事で、非常にわかりやすいアセットアロケーションですが、資金流入を見ると今ひとつ厳しいようです。
ニッセイAMの購入・換金手数料なしシリーズは単品のファンドが信託報酬率を下げたのに対し、バランスファンドは若干置いてけぼり感がありますが、eMAXIS Slimバランスへの対抗馬として今後の信託報酬の低減が期待されます。
その他のバランスファンド
その他に大和証券投投信の「iFree8資産バランス」が信託報酬年率0.2484%で設定されていますが、まだ1年の運用実績がありません。
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