リーマンショックの後、2009年7月の日本の完全失業率は5.7%と過去最高、正社員有効求人倍率は0.24倍と非常に厳しい雇用状況でした(更なる悪化が予想されている)。
私自身も、リーマンショック直後に勤務先企業の米国本社の決定により、日本の事業所の閉鎖が決定され、半年以上も転職活動を余儀なくされましたが、直近の業績や本人のスキルとは直接関係無しに、突然職を失う事はあり得る話だと思っておいた方が良いと思います。
生活防衛資金は何年分必要か?
著名な金融コンサルタント 木村剛さん(後に日本振興銀行の社長となり、金融庁の検査妨害で有罪判決を受けた)の著作「投資戦略の発想法」では、以下のように記されています。
職を失うリスクに対して、最低二年分 の生活防衛資金を用意しておく事が、投資家になるための必要条件
一方、実際に職を失ったとしても、雇用保険から失業給付が出ますので、生活だけを考えれば3ヶ月分程の生活防衛資金があればなんとかなるかもしれない。
いざとなったら保有する株や投資信託を売って現金化すれば良いですしね。
現金を多く持つとそれだけ投資効率も下がります(私も以前はそう思っていました・・・)。
でも、実際の私の経験としては、リーマンショックの暴落で含み損が-50%を超えた時に躊躇なく売るのは相当の胆力が要ります(無理!!)。
それに、無職になるという追い込まれた状況下での転職活動は、精神的にめちゃくちゃキツイですよ!!
上記のような有効求人倍率で、若者の転職ならまだともかく、35歳以上では書類選考もなかなか通りません。世の中から全く必要とされていない状態ですね。
せめて金銭面で余裕が無いと、もう日雇いバイトでも何でも良いから仕事をくれと、不本意な職を選ぶ事になりかねません。
急なリストラ時にも、家族を守り自分を安売りしない
転職活動において、足元を見られずに、自分を安売りしないという前向きな対応 をする為には、二年分の生活防衛資金を用意する というのは決して大げさな額ではないと思います。
私自身も、職が決まるまでじっくり8ヶ月もかかりました。全てがOKではありませんが、これまでと同じ業界で同じ職種をなんとか死守した形です。
生活防衛資金という言葉に感じるなんとなく消極的で守りのイメージではなく、むしろ攻めのイメージ(自分を安売りしない)で捕らえ、対策を練っておく必要がありそうです。
我が家ではリーマンショックの経験の後からですが、生活防衛資金として生活費2年分を、中途解約可能な定期預金で持つようにしました。
実際に使うことが無くても、何が起こっても安心できるお守りになると思います。
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資産形成の1つの理由に不安を減らすというのがありますね。
いざという時にキャッシュがあるのとないのとでは大きく違いますね。
>うさみみさん
株価が回復してくるとつい欲が出て、お金を預金に寝かせている事がもったいなく感じてしまう時がありますが、決してムダではない、またあるかもしれないイザという時の切り札として十分なキャッシュを手元に残そう。と、自分への戒めを込めて書きました。
コメントとトラックバックありがとうございました。
通常の転職と失職時の求職とは、精神的なきつさが全く違いますね。
40代でなかったこと、失業率が本格的に上がる前であったことはよかったですね。
木村剛さんの「投資戦略の発想法」を読んでいないと、生活防衛資金という言葉に消極的なイメージを抱いてしまうかもしれませんが、同著作では、決して消極的な目的のために生活防衛資金を確保しておくようにアドバイスしていなかったはずです。
いずれにしろ、生活防衛資金を1年分しか確保していなければ、転職エージェントのアドバイスに従わざるを得なかったかもしれないですね。
失業率は10%に向かうという予想もあるようですし、対処方法を予め考えておく必要がありそうです。
>PALCOMさん
ありがとうございます。
まさか突然失業するとはなかなか想像しづらい事ですが、こうして交流のあるリンク先にも、実際にそのような経験をした人間が居ると、対策の重要さが伝わるでしょうかね?
ま、私の身内である弟が「オレは平気」なんていまだに言っている状態なので、結局他人事で、リアルに考えられないのかもしれませんが・・・一度真剣に対策を考える事が大切かと思います。