読者の方から「低コスト投資信託への乗り換えをすべきかどうか」、下記のご質問を頂きました。
ネタの提供をありがとうございます。
私は、6年程前から主にインデックスファンドで運用しています。昨年には退職(年金はまだです)しましたので今は積立型ではなく、現状の資産を投資信託に預けている状態です。
そこで信託報酬に係る買い替えについて、お聞きしたいことがあります。6年前はインデックスファンドでも信託報酬が0.6%以上ありましたが、現在は0.2%以下のものも出てきました。
私も0.6%時の投資信託(日本株式ファンド等)をいくつか保有しています。直ぐにでもこちらを解約して低い信託報酬のファンドに買い替えた方が有利なのでしょうか?
6年前の購入時は基準価格が低かったので解約がもったいない気持ちもあります。それとも購入時の基準価格は考慮しなくても良いのでしょうか?ご見解を頂けますと助かります。
ベストな選択は個人の事情(例えば今後の運用期間など)によると思いますが、一応、私だったらこう考えるという事でコメントさせて頂きます。
低コストインデクスファンドに乗り換えるべきか
お話の前提として、現在保有しているファンドのコストだけが問題ということで検討します。
モーニングスターで日本株式のインデックス型投資信託を検索すると、TOPIXオープンや日経225インデックスファンドと名前が付いたファンドが現在100件近く引っかかります。
信託報酬の高いものでは0.8%台、低いものは0.1%台とかなり大きな差がある現状です。
新しく購入するファンドは当然コストの安いものを選べば良いのですが、既に持っているファンドを売って乗り換えるか、そのまま保有するかは、実は結構悩ましいところです。
ファンド乗り換えのデメリット
6年ほど前に購入されたファンドでしたら、現在かなりの含み益となっている事と思います。
乗り換えの為に売却することで、譲渡所得に対して20%が課税されてしまいます。
ちょうど損益通算できる損失があるなど節税策があれば良いですが、今の時点で納税することで投資元本が大きく減ってしまうのは、うまくないのではないでしょうか。
この先何年運用するかにもよりますが、大きく利益が出ている状態ではこの程度の信託報酬差よりも「税の繰り延べ効果」の方が大きいと思い、私ならそのままホールドします。
また最近は少ない傾向ですが「信託財産留保額」が設定されているファンドでは、売却時に一定率でペナルティが課せられますので、中途売却は避けたいところです。
相互リンク先のバリュートラストさんで「乗り換えコストチェッカー」というツールを提供されており、乗り換えたパターンと乗り換えないパターンでどちらがお得かシミュレーションができますので是非参考に。
さっさとファンドを乗り換えるべき時
一方で、さっさと売却して乗り換えた方が良い、あるいは乗り換えのチャンスはこんな時。
- ファンドの償還が近いなど運用状況に問題がある場合
- 投資方針を変更し、そのファンドを保有する理由がなくなった時
- 損益がプラマイゼロ近くの時
上記1,2番は当たり前ですかね。指数をトレースできないインデックスファンドや自身の投資方針に合わないファンドをいつまでも持っていても仕方がありません。
また、運用に問題がなくても、繰り上げ償還されると手元に現金が戻ってくるまでかなり時間がかかり機会損失になります。
よって、ちょうど損益がプラスマイナスゼロ付近の時であれば、含み益に対する課税や、含み損の扱いに困る事が無いので、乗り換えのチャンスと言えます。
私も、下落相場が来た時には現在のポートフォリオを整理する予定です。
以上、非常に簡単ですが参考になりましたでしょうか?
実際に保有されている商品やライフプラン(何年間運用するのか)に合わせてシミュレートされてみると、より明確になると思います。
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