先の記事「「マネックス資産設計ファンド」資産配分の見直し」で書いた通り、「マネックス資産設計ファンド」は株式比率を下げて、債券比率を上げる方向で資産配分の見直しがなされました。
これは、当初からの運用方針(リスク・リターンの推計より、一定のリスク水準を保つように配分を見直す)に忠実に従っている結果なのですが、現在、割安だと思われる株式の比率を下げる点、納得が行かない個人も多そうです。
ところで、バランスファンドの資産配分比率の決定方針は、ファンドによって様々です。それぞれ目論見書の記載より抜粋してくると、以下の様に大きく2タイプに分かれました。
配分比率見直し型
- マネックス資産設計ファンド・・・イボットソンの助言に基づき、期待リターン、リスク、相関係数を推計し、効率的フロンティアを描き、一定のリスク水準から配分比率を導く。
- 楽天525・・・安田投信投資顧問の年金向けアセットアロケーション手法を活用し比率を決定します。
- SBI資産設計オープン(スゴ6)・・・住友信託銀行からのモデルポートフォリオの提示に基づき、アセットアロケーション戦略により、効率的なポートフォリオを組成します(※ただし、実際の配分を見ると国内株20%、外国株20%、国内債券20%、外国債券20%、国内REIT10%、外国REIT10%と機械的に割り振られている様ですが・・・)。
配分比率一定型
- ジョインベスト・グローバル・バランス・ファンド・・・3つの資産への均等配分を基本とする。
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド・・・株式と債券の投資比率は原則として50:50とする。
- 野村世界6資産分散投信・・・当初の基本投資割合(成長コースで、国内株35%、外国株35%、国内債券10%、外国債券10%、国内REIT5%、外国REIT5%)に戻すようリバランスを行う。
「配分比率見直し型」である、「マネックス資産設計ファンド」と「楽天525」は最近株式比率を下げる方向で、見直しが行われました。
一方、「配分比率一定型」は、ひたすら「値上がりした資産を売り、下がった資産を買う」と言う点で、逆張り的な発想としてはこちらの方が納得し易いのかもしれませんね(長期に右肩上がりが続く相場が来た時には、比率一定型に不満が出る気がしますが)。
バランスファンドの比較と言うと、コストの比較だけに目が行きがちでしたが、この様な運用方針や方向性(目論見書に明示されていない、運用者の考えも含めて)を掘り下げていくと、どれを選ぶか?なかなか奥が深いようです。
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じゅん@様、おはようございます。
同じ株の比率を下げる場合でも、2通りあるのではないかと想像しております。
1)現在の低下した株が新アロケーションよりも小さくなっている場合。
この場合は株の買い増しをしますが、以前よりも低比率までしか行いません。
2)現在の低下した株が新アロケーションよりも大きい場合。
この場合は、株を売って新しいアロケーションに合わせます。
1の場合は、あまり消極的とは言えないと思います。
>Tansney Gohnさん
コメントありがとうございました。
仰るとおり、マネックス資産設計ファンドなど「基本配分比率は下げるけど、株を買い増す」という状況にある様です。
私もきちんと区別せずに記事を書いておりましたが、誤解を生みそうな点ですね。