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海外ETFに興味のある方へ。海外ETFの魅力と注意点

ネット証券各社での海外ETFの最低取引手数料引き下げをキッカケに、海外ETFに興味を持つ方が増えているようです。

ここで海外ETFの魅力と注意点について私の考えをざっと書いておきます。

経費率が低い!

海外ETFは何と言っても運用にかかる経費率(コスト)が非常に低い事が魅力です。
特にバンガード社のETFはさすが世界基準の投資ビークル。皆のあこがれの的ですね。

例えば、これ一本で小型株を含む全世界の先進国株式市場および新興国株式市場をカバーする、バンガードのVTの経費率(Expenses ratio)はたったの0.09%(経費率は国内のファンドで言う信託報酬とその他の運用コストを含んだ値ですので、いかに低コストか!)。

投資元本が大きくなり、数十年と長期投資をすると思うと、わずかな運用コストも大きな金額になってきます。

投資対象が同じならばコストは少しでも安い方が良い

ただし、最近では例えば「iシェアーズMSCIコクサイETF(TOK)」は「iシェアーズ 先進国株ETF(MSCIコクサイ)(1581)」として国内にも重複上場していますし、同じMSCIコクサイ指数を投資対象とする「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」や「<換金購入手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」は信託報酬0.093%(税抜)というレベルまで低コスト化が進んでおり、海外ETFが必ずしもベストとは言えません。

また、海外ETFでは為替調達コストや、売る時の手数料も別途考慮する必要があります。

海外ETFは分配金の扱いに注意

例えば前述のバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)は年4回決算なので、原則四半期ごとに分配金が支払われます。

今は海外ETFも特定口座に対応したので、分配金の記録を取るのは楽になりました(一般口座の時代はそれも大変でした)。

資産形成期の分配金はキャッシュフローが増えるものの、それを再投資せずに使ってしまっては折角投資しているのに無意味です。

ネット証券では海外ETFの最低売買手数料が下がったため、比較的小口から再投資する手がありますが、1口に満たない場合は、次の買い付けの機会までドルMMFなどに遊ばせておく事になります。

また、分配金には都度課税されるため投資効率は落ちます(最近のインデックス投資信託はこの点を考慮して無分配型が多く、課税の繰り延べ効果があります)。通常の投資信託には「元本払戻金(特別分配金)」という仕組みがあり、基準価額がその人の個別元本を下回っている(つまり含み損)の際の分配金には課税されませんが、ETFは株式と同様に一律に全額が課税対象となってしまうので注意が必要です。

ただし、米国ETFの場合は日本と米国での分配金への二重課税に対して、確定申告を行えば外国税控除により米国分の10%を取り戻す事ができるメリットがあります(手続きは若干面倒ですが)。これは投資信託には無い仕組みです。

取引価格とNAV(純資産価格)

通常の投資信託の場合は純資産価値から算出される基準価額で取引されるので、意識する事はありませんが、ETFの場合は売買の際に市場での取引価格とは別に本来の適正価格である純資産価格(NAV)を意識する必要があります(本来の価値から数%乖離して買われる or 売られる場合がある)。

また当然、ETFは取引価格も一日の中で上下するので、成り行き注文でも良いのですが、少しでも安く買って、少しでも高く売りたいと、何ドルに指し値をするかという事を考えたくなります(幸い米国の場合は取引時間が夜中なのでサラリーマンもザラ場を見ながら取引ができますが)。

下手な価格で約定すると、経費率のコンマ数%のメリットなんて簡単に吹っ飛んでしまう場合も。

つみたてが自動化できるか?

暴落時にも淡々と買い付ける為には、自動つみたての仕組みを作ってしまうのが重要だと思っています。

投資信託では毎月一定額を自動つみたてするのは容易ですが、海外ETFでは適時手動で購入するのが一般です。

海外ETFの少額の自動つみたてが難しい理由の第一は、そもそもETFは「定額」でつみたてるのが難しいです。

2018年3月からSBI証券では米国株式・ETF定期買付けサービスというものが始まっていますが、1口からの購入なので、定額積立ではありません(ウェルスナビのようなサービスを利用すれば、定額積立する手はある)。

また、為替手数料を下げるために、住信SBIネット銀行で外貨積立をしている場合も、このドルでSBI証券でETFを自動購入とは行かずに資金移動のひと手間がかかります。

海外ETFの場合は、ある程度手動でやる事が前提となります。

老後の取り崩しをどうするか

さて、いずれ積み立てた資産を取り崩す時がきますが、さて海外ETFをどうやって売却するかイメージして下さい。

年に数回まとめて売却する感じでしょうか?分配金で生活出来るとシンプルで良いですね。

歳をとった時にちゃんとネット証券にログインして指し値で取引できるかな?物忘れは多くなってくるだろうし、私はパスワードを覚えているかどうかすら不安。

うちは子供も居ないので身内のサポートも期待できないです。。。

通常の投資信託の場合、例えばSBI証券では定期売却サービスがあるので、自動で一定額を取り崩して行くことができます。

そんな事を考えると、確かに海外ETFの低コストと純資産規模は魅力ですが、ひとによって向き不向きがあると思います。

私は自分がナイスなトレードを出来ると思わないので、感情が入らないように運用は自動化したいです。よっぽどこだわりのある人以外は、eMAXIS Slimインデックスシリーズやニッセイ・インデックスファンドなど低コストな通常の投資信託で十分と私自身は考えています。

自分にどのような投資方法が合うかは試してみないと分からないところがあるので、まずは少額から色々やってみてスタイルを確立してみてはどうでしょうか。

私自身は以前は海外ETFを使っていましたが、2013年に全て売却し、今は通常の投資信託100%で運用しています。

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じゅん@

アラフィフ会社員、既婚子なし、共働き。2006年から貯蓄と並行して低コストインデックス投信のつみたて投資を行っており、インデックス投資歴19年目。投資ブログを書き始めたのも同時期です。
国際分散投資派のほったらかし投資スタイルで資産形成を実践します。

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