これから”資産形成”の為に投資を始めてみようという場合、まずは投資信託を毎月一定額積立てる事をお勧めします。
と簡単に言うものの、投資信託は5,000からの膨大な数があり、何を選んだら良いのか最初は非常に悩むと思います。証券会社の売れ筋ファンドも必ずしも資産形成に適したものではない現状もあります。
そこで、鉄則とも言える投資信託を選ぶ具体的なポイントを以下に4つ紹介します。
話題になっている投信を買ってみるところから始めるのでも良いのですが、是非自分で投信を選ぶ目を持って下さい。
最後に番外編として記載しましたが、今なら金融庁のお墨付きのあるつみたてNISAの対象ファンドから選定するのが最も安心です。
ポイント1.理解できないものには投資しない
いざ投資を始めようとなると、まず何か買ってみたいという気持ちが先行しがちです。
一旦落ち着いて、そのファンドの投資対象は何なのか?よく考えてみて下さい。例えば・・・
「高金利通貨戦略」を行うことで、為替取引によるプレミアム収益(金利差相当分の収益)の確保を目指します。「株式カバードコール戦略」および「通貨カバードコール戦略」を行うことで、オプションプレミアムの確保を目指します。
上記はSBI証券の販売ランキングの上位に長年ランクインしている「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」の説明書きですが、購入している方はこれがどういう商品なのか自分で説明できるのでしょうか。
複雑で良くわからない商品は、売り手が手数料を色々なところに隠しやすいものです。
理解できないもの(自分で説明ができない商品)には投資しないのが鉄則。
ポイント2.信託報酬・コストにこだわる
投資信託は信託報酬(運用管理費用)が毎日コストとして引かれていきます。積立による資産形成は長期投資が前提ですし、最終的にそれなりの金額を運用する事になるのでコンマ数%の信託報酬の違いも影響は非常に大きくなります。
運用リターンを上げる唯一確実な方法はコストの低い投資信託を選ぶこと。
最近の信託報酬が安いインデックスファンドの目安としては、TOPIXに投資するインデックスファンドが年率0.2%以下、先進国株式が年率0.2%前後、新興国株式が0.6%前後と言ったところでしょうか(日本の投信の信託報酬平均は1.5%程度ですのでいかにコストの高いものが多いか・・・)。
信託報酬率は事前に目論見書で明らかにされていますが、実際にはファンドの運用で生じたその他の隠れコスト(売買手数料、管理手数料等)も追加でかかる費用であり、これは「運用報告書」を確認する必要があります(新規設定ファンドは1年待たないとコスト実績がわからないので要注意)。その他コストを含んだ実質コストで高くても1%までが許容限界という感覚です。
当然、販売手数料は無料(ノーロード)が最近の常識です。販売手数料は同じ商品でも購入する金融機関によって異なる場合があるので必ず確認するように注意しましょう。
ポイント3.信託期間が無期限であること
最近のインデックスファンドは信託期間が無期限のものが多いのですが、中には期限が決まっているものがあります。
有期のものは売り手の都合で強制終了となるだけでなく、期限が近くなると新規の資金流入が減り流出超過になることが予想され、場合によっては正常な運用ができない事も考えられます。
実際には順次期限が延長される事もあります。
しかし、信託期間の設定は売り手が儲からないと思った時に運用を終了しやすくするための保険であって、投資家サイドには何もメリットがありません。
ちなみに「i-mizuho」というメジャーなインデックスファンドシリーズがありますが、販売当初は信託期間を2028年までに限っていました。そのため、資産形成には向かないファンドとして当ブログでは取り上げませんでした(※現在では無期限に変更されています)。
ポイント4.分配金を出さない or 少ないものを選ぶ
年配の方が分配金を受け取って年金のように使うのは良いと思いますが、これから資産形成を目的とする場合、分配金は税金を20%引かれて払い戻しされてくるだけでメリットはありません(断言)。
私の友人にも居ましたが、良く勘違いしているのは「分配金利回りが10%を超えているスゲー!」という人。
実際には分配金を出した分だけ基準価額は下がっている(株式の配当とは異なり、投資信託の分配金は単なる払い戻しである)事を理解して下さい。
分配金を出さずに非課税のまま内部でそのまま運用してもらうのが、複利効果を狙うには一番お得です。
番外編 つみたてNISA対象投信から選ぶ
2018年1月より開始される「つみたてNISA」では、対象商品の要件が厳しく設定されており、個人の資産形成に適しているとされると金融庁が認めた投資信託に限定されています。
例えば・・・
- 販売手数料はゼロ(ノーロード)
- 信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合 0.5%以下)に限定
- 信託契約期間が無期限又は20年以上であること
- 毎月分配型でないこと
- ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
この様に私が上記で述べた内容がほぼ当てはまります。
投資信託の銘柄選定に迷ったら、つみたてNISA対象銘柄から選んでみるのが最も安心で確実です。
ただし、つみたてNISAの為に新規設定されたファンドが多数あります。これらは運用実績がほとんど無いのでまずは実績のあるファンドから選ぶのが良いでしょう(最初の決算までは様子見)。
この記事の感想を下のコメント欄でお寄せください