2007年より続く「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2022」、今回で第16回目の開催となりました。
新型コロナ以前は夏の「インデックス投資ナイト」と並び、冬の祭典としてリアル開催されていましたが、ここ数年はWeb開催となり若干寂しいところ。一方、Webだと外出先からでも気軽に参加できる良さもあります(私も今年は外出しており、帰宅する電車の中から視聴しました)。
当日の模様はツイッターの #ファンドオブザイヤー のハッシュタグで振り返る事が可能です。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」とは
証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガー(投信マニア)たちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
企業スポンサーを付けないことで、証券会社や雑誌など売り手側の意向が入ったランキングとは異なる点で、参考になるかと思います。
1点注意点があり、今回から投票ルールが変更となりました。今年からは保有ポイント全てを1つのファンドに集中投票することができなくなり、最大3つのファンドに3,2,1ポイントを投票する仕組みとなっています。
今回の総投票者数は136名(有効投票数135)でした。
結果発表
第1位 eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
65名から170ポイントを集めたオールカントリーが4連覇となりました。
私もこのeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)をメインの投資対象としており、おすすめできる投資信託として、3ポイントを投票しました。
これ1本で全世界の株式にまとめて投資ができるということは、長期投資のファイナルアンサーとして安心感があります(私は米国企業の日本法人に勤めていたので、米国株のみに絞るほど米国を信用していません)。
第2位 <購入換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
第2位は昨年に引き続きニッセイ外国株式インデックスファンドです。
2014年の初登場1位から3連覇の偉業を達成した過去もありますが、オールカントリー登場後はなかなか上回ることが出来ていません。
投信のコスト低下に積極的に取り組む運用姿勢が評価されており、ファンも多いです。
第3位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
昨年の4位からランクアップです。
昨年2月にはインデックスファンドとしては初の純資産総額1兆円超えのファンドとなりました(業界全体でも3番目の規模)。現在は1兆6千億円を超える大人気ファンドです。いずれ業界No1になるでしょう。
ただ、投信ブロガーは米国株オンリーよりも全世界株式を好む傾向が強く3位となりました。リーマンショックの時は資本主義の終わりと言われるほど、米国株は酷い状況だったので、リスクを減らすために分散したくなる気持ちがあります。
第4位 バンガード・トータル・ワールドストックETF(VT)
分類:米国ETF
経費率:0.08%
2009年のファンドオブザイヤーにて初登場第1位、その後2012,2013と1位を取ってきた、個人投資家のリーサル・ウェポンですが、米国ETFというマニアックなツールは、全世界株式に投資信託を通じて手軽に投資できるようになった今、万人向けではないように思います。
バンガード社自体も、2020年に日本支社閉鎖を発表し撤退しています。
第5位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
eMAXIS Slim 先進国株式は昨年6位からランクアップ。
昨年はこの位置に「iFreeレバレッジ NASDAQ100(通称:レバナス)」が居たのですが、株価が不調ということもあり、今年は20位内には入ってきませんでした。
2位のニッセイ外国株式インデックスファンドとの差は後発ということもありますが、Slimじゃない方のファンドを売り続けている一物二価問題を嫌ったところがあると思います。
第6位~第10位
6位 セゾン・グローバルバランスファンド
7位 ひふみ投信
8位 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)
9位 結い2101
10位 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね
第6位のセゾン・グローバルバランスファンドは、バンガードの文字が外れました(中身は変わっていません)。債券クラスを含むバランスファンドでは最上位の位置づけです。
また、ひふみ投信、結い2101、おおぶねと、この3つのアクティブファンドは存在感があります。
第11位~第20位
11位 楽天・全世界株式インデックスファンド
12位 たわらノーロード先進国株式
13位 SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
13位 SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
15位 MAXIS 全世界株式(オールカントリー)上場投信
16位 コモンズ30ファンド
17位 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
18位 SOMPO123 先進国株式
19位 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
20位 eMAXIS Slim新興国株式インデックスファンド
SOMPOアセットマネジメントのSOMPO123先進国株式が新たな顔ぶれとしてランクインしてきました。このファンドは、日本を除く先進国株式の中から主要な123銘柄程度に絞って投資することで、信託報酬0.077%という超低コストを実現するものです。
私の妻が積み立てている「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は昨年の14位から3ポイントダウンでした。
イベント雑感
私が投資を始めた約18年前は、まだTwitterが無い時代でした。インデックス投資の情報が巷にはほとんど無くて、投信ブロガーと呼ばれるオタク達の情報網が非常に重宝した時代です。
今は投資環境も充実し、Twitterで最新情報も入手できるようになりました。また、数年前からGogle検索が、こと金融や健康に関する情報については、公式の情報しか上位に記載しないようになり、ブログというメディアが時代遅れになっています(今回は一段と投票者数が減りました)。
そんな中で、今年もイベントを開催してくださった運営の皆様には感謝しています。
このイベントが今後どうなっていくのかわかりませんが、「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」という当初の理念には強く賛同するので、応援の気持ちをこめて記事にして発信をさせて頂きます。
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こんにちは。
投資信託のランキング、参考になりました。
昔は信託報酬がすごく高いってイメージがあったんですけど、
最近はそうでもないんですね。