2020年8月27日付けで、米国バンガードの日本支社であるバンガード・インベストメンツ・ジャパンの閉鎖が発表されました。
公式サイトバンガードからのお知らせ| 当社の営業活動終了のお知らせ
2000年の日本進出からちょうど20年。
バンガードが新しい地域に進出することで、競合他社がコストを下げる事を”バンガードイフェクト”と言うそうですが、日本でもインデックスファンドのコストが大きく下がった要因として、バンガード社の日本での活動の影響は大きかったと思います。
大変感謝しております。
なお、バンガードETFならびにバンガード米国籍投資信託の運用報告書につきましては、下記、Teneo Partners株式会社のウェブサイトにて引き続き参照できるとのことです。
バンガードETF
http://www.teneopartners.co.jp/listview.html
バンガード米国籍投資信託
http://www.teneopartners.co.jp/vanguardmfunds.html
バンガードの4つの基本原則
さて、バンガードと言えば、長期・分散・低コストの投資哲学を掲げ、我々が進む航路を示してくれている訳ですが、あらためて、成功する投資家になるための「バンガードの4つの基本原則」についてまとめておきます。
目標:明確な投資計画を設定する
投資計画の第一歩には「投資目標」を明確にすることですが、目標が適切で、達成可能でなければいけません。また、投資のリターンを過度に高く見積もったり、実践が難しい貯蓄や投資計画に基づくものであってはいけません。
- どれくらいリスクを取ることができるのか?
- 具体的に達成可能な投資額は?
- ポートフォリオの見直し頻度、時期は?
といった、投資計画をあらかじめ明確にすることで、間違った方向に進むことを未然に防ぐことができます。
我が家の場合も以下の記事で投資方針をまとめており、投資の「時間軸」、投資に回すお金の「量」、投資で経験する「波の大きさ」の3点を軸として、ブレない長期投資を続けています。
バランス:幅広く分散しているファンドに投資する
適切な投資計画は、ポートフォリオの目的に合ったアセットアロケーション(資産配分)から始めます。アセットアロケーションは、合理的なリスクとリターンの予測に基づいて決定する必要があります。そして、資産を不必要なリスクから守るために、分散させる必要があると考えます。
- 株と債券、その他投資対象の比率をどうするか?
- 現実的なリターンを考える(願望であってはならない)
- 損失を最小限に抑えて利益を出すために、分散投資が必要
私も、負けない投資をするために「分散投資」を非常に重視しています。米国株への集中投資ではなく、世界株への分散投資にこだわっているのも、この基本原則を尊重しているからです。
そしてアセット・アロケーションが「分散されたポートフォリオの長期的なリターンの80%を説明する」と言われ、重視されていますが、我が家では勝ちに行くのではなく、とにかく負けない投資を意識してアセットアロケーションを設定しています。
コスト:コストの最小化
バンガードの投資方針で一貫していることとして「自身がコントロールできることに注力する」という点があります。
マーケットは予測不可能ですが、コストは常に発生します。投資コストが低ければ低いほど、リターンに対して投資家の手元に残るお金が増えます。投資家がマーケットをコントロールすることはできませんが、コストと税金はコントロールが可能な要素なのです。
コストを下げることは、自分でコントロールが出来て確実にプラスに働く要素です。
インデックス投資を行うこと、より低コストなファンドを選ぶこと、NISAやiDeCoなど非課税制度を優先して利用すること、どれも我が家の投資方針の根幹です。
ただコストは、ファンドの信託報酬だけではなくて、管理にかかる手間も含めたトータルで考える必要もあると思います。私は、超低コストの海外ETFよりも、最近の低コストインデックスファンドで自動積立投資を行うほうが、より自分には合っていると考えて、バンガードのVTはすべて売って、インデックスファンドに乗り換えています(バンガードさんごめんなさい!)
規律:規律ある長期的な視点を
投資は、時に大きな感情の波をもたらします。
株式市場が急落すると、衝動的な行動を取ってしまう人や、逆に思考が停止してしまい、継続的な購入や必要なリバランスができなくなる人も出てきます。
しっかりとした自制心と長期的な視点を持ち続けることで、たとえ相場が不安定なときでも、投資家は投資目標の達成に向けて、焦点を定めることができるようになります。
- 定期的なリバランスでポートフォリオを管理する
- 市場を出し抜こうとすると、大抵損失につながる
- シンプルに投資を続けることは、驚くほど強力な投資戦略です
「規律」という言葉が使われていますが、長期投資の成功のためには、短期の動きにとらわれず、マイルールを決めて淡々とこなしていくことが重要なんだと思います。
私は投資を初めて数年でリーマンショックの底なしの暴落の恐怖を経験し、今考えると非常に勿体ないタイミングで株式比率を下げています。
頭ではわかっている風でも、人間そんなに強くないので、感情に影響されるのがむしろ普通なのかな。それ以来、自動つみたてに徹することを投資方針として掲げています。
バンガードの4つの基本原則 まとめ
- 目標
- バランス
- コスト
- 規律
以上の4つがバンガードの基本原則として提示されていますが、投資スタイルに関わらず、まず考えるべきポイントだと思います。
データなどを交えたより詳細な内容については、バンガードよりPDFコンテンツが提供されていますので、是非参照ください。
参照日本の投資家の皆さまが成功する投資家になるためのバンガードの4つの基本原則(全文)
バンガード日本撤退に思うこと
グローバル企業の日本拠点の閉鎖というのは、過去に私も当事者として経験しています(別業種ですが)。
今現在、利益が出ているかどうかとは全く別次元で、日本市場そのものに魅力がない、将来性がないということで、今回の判断なのだと思いますが、スタッフの方々は無念な気持ちでしょうし、日本人投資家の一人としても寂しいですね。
日本で「直販をやりたい」とまで言っていたバンガードの出した結論ですから・・・非常に複雑な気持ちです。
※バンガードETF®および日本のビジネスパートナーとの共同ブランドファンドの投資対象商品(セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドや、楽天・バンガード・ファンド(楽天VT等)は、これまでと変わりなく、引き続き提供されます。
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