今回で第12回目となりました「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018」の受賞ファンドが本日発表され、私も表彰式と懇親会に参加しました。
投票を行ったブロガーからも、運用会社の中の人からもとても熱意あふれるコメントが寄せられました(公式サイトでは各コメントが紹介されています)。
今回、有効投票数241名の投信ブロガーが投票したアワードの受賞ファンドについて、以下に紹介します。
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」とは?
証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
投資信託について常に情報を集め、ブログを書いている投信ブロガーが今年のナンバー1として選ぶファンドなので、ある意味マニアックなラインナップですが、当然、コストや運用成績など厳しい目で選定された結果なので、金融機関が売りたいファンドとはかなり異なる内容になっています。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018受賞ファンド
印象的だったのは、今回前年から大きく順位が変動しているファンドが多く、上位に急浮上したファンドや逆にランク外に消えてしまったファンドなど明暗が別れました。
第1位 eMAXIS Slim先進国株式インデックス
ファンド名称 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
分類 | 国際株式・グローバル・除く日本 |
信託報酬(税込) | 0.11772% |
信託財産留保額 | なし |
私もコツコツとつみたてNISAで購入しているファンドです。
実はeMAXISシリーズは、これまで投信ブロガーが選ぶ!Funds of the Yearで1位を取れていなかったんですね。今回悲願の第1位です。
特につみたてNISAが始まり、インデックスファンドへの資金流入が大きく増えた2018年に1位を取ったというのは大きな快挙ではないでしょうか。
運用会社の方からは、日本のバンガード社を目指す!という力強いコメントがありました(以前からお手本とされているようです)。
eMAXIS Slim先進国株式インデックスは、昨年の13位から今回急浮上しました。将来にわたって業界最低水準の運用コストを約束するなど、長期投資のアイテムとして安心できる点が評価されたのでしょう。
第2位 <購入換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
ファンド名称 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド |
運用会社 | ニッセイアセットマネジメント |
分類 | 国際株式・グローバル・除く日本 |
信託報酬(税込) | 0.11772% |
信託財産留保額 | なし |
かつて3年連続の1位獲得の快挙がありましたが、ここ2年は2位となりました。安定して強い人気の<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド。
初登場以来、ファンドのコンセプトは一切ブレておらず、信託報酬だけではなく他のコストについても何か出来ることは無いかということで、昨年は監査報酬の削減を進めていました(これは知らなかった)。
1位のeMAXIS Slimとは投資対象、信託報酬率ともに同じなんですね。良きライバルとしてお互い切磋琢磨して成長してもらいたい。
毎年、純資産の増加に伴ってしっかりと信託報酬を下げてきた実績が評価されていると思います。
第3位 eMXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
ファンド名称 | eMAXIS Slim全世界全世界株式(オールカントリー) |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
分類 | 国際株式・グローバル・含む日本 |
信託報酬(税込) | 0.15336% |
信託財産留保額 | なし |
私が5ポイントを投じたファンドです。資産運用の中心になるべき、ありそうで無かったMSCI ACWI連動型のファンド。
とことんコストに拘るeMAXIS Slimシリーズという安心感。低コストはもちろん、海外ETFを投資対象としたファンドではなくシンプルに現物投資という点も評価されています。
私がこれから投資を始める人に何か一つおすすめするとしたらコレかな。
私の毎月の積立額の中で一番ウエイトが高いファンドです。
純資産規模がまだ10億円にも満たない事を考えると、この順位は正直意外でしたが、皆の期待がそれだけ大きいんですね。
昨年1位の楽天VTとは直接のライバル関係にあるこの商品、一過性の人気に終わらずに純資産を増やして次回も上位に食い込むよう期待しています。
第4位 楽天・全米株式インデックス・ファンド
ファンド名称 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド (楽天VTI) |
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
分類 | 国際株式・北米 |
信託報酬(税込) | 0.1696% |
信託財産留保額 | なし |
最近の米国株人気で一気に純資産額を増やしました。
有名な海外ETF(VTI)に100円から投資可能で、ETFよりも手軽につみたてNISAでの投資も可能な点、評価されているようです。
私個人的には米国集中よりも全世界に分散したいのですが、パフォーマンスという点では世界分散よりも期待されているのかな。
第5位 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
ファンド名称 | eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
分類 | バランス |
信託報酬(税込) | 0.17172% |
信託財産留保額 | なし |
うちの妻がつみたてNISAでつみたてているファンドです。
十分に分散された8資産型のバランスファンドで、一番低コストなファンドと言ったらこれ。
リバランス不要で完全放ったらかしにできるバランスファンドで、信託報酬が0.1%台とは良い時代になったものです。
第6位 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
ファンド名称 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド |
運用会社 | セゾン投信 |
分類 | バランスファンド(安定成長) |
信託報酬(税込) | 0.60%(投資先ファンド含む) |
信託財産留保額 | 0.1% |
このファンド1本で世界30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資することができるバランスファンド。
普通の人にとって長期投資が当たり前の事となる事を目指したファンドで、今となっては信託報酬が高めなのが目に付きますが、元々は低コストバランスファンドの先駆者。初登場1位から常にランクインしている人気ファンドです。
月報や運用報告会など情報提供がしっかりしている点も強く評価されています。
私も以前セゾン投信さんにインタビューを行って記事を書いています。
関連セゾン投信に直撃インタビュー!(前編)
関連セゾン投信に直撃インタビュー!(後編)
第7位 バンガードトータルワールドストックETF (VT)
ファンド名称 | バンガード・トータル・ワールド・ストック・マーケットETF |
運用会社 | ザ・バンガード・グループ・インク |
分類 | 国際株式・グローバル・含む日本 |
経費率 | 0.10% |
信託財産留保額 | なし |
圧倒的な低コストであり、個人の資産形成においてリーサル・ウェポンとも呼ばれるVTですが、今年も7位にとどまりました。
上位のファンドがETFとのコスト差を縮めるなど相当に頑張っている結果、海外ETFは面倒という点もありこの順位になっているのかな。
私も現在はVTから完全に撤退し、保有銘柄はインデックスファンドのみとなっています。
第8位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
ファンド名称 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
分類 | 国際株式・北米 |
信託報酬(税込) | 0.1728% |
信託財産留保額 | なし |
これもありそうで無かった、米国株人気で登場したファンドです。
S&P500というわかりやすい指数を投資対象としており、ETFよりも手軽に投資できる点が評価されています。
第9位 楽天・全世界株式インデックスファンド(楽天VT)
ファンド名称 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド (楽天VT) |
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
分類 | 国際株式・グローバル・含む日本 |
信託報酬(税込) | 0.2296% |
信託財産留保額 | なし |
昨年、第1位であった当ファンドは残念ながら今年は順位を大きく落としました。
小型株も含めてこれ一本で全世界の株式に投資でき、純資産額も150億円を超えるなど非常に期待が大きいのですが、今回3位のeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)とは、いいライバル関係にあるので、お互いに今後さらなるコスト低下と品質向上(インデックスから乖離しないこと!!)を目指す事を願います。
第10位 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
ファンド名称 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
分類 | バランス |
信託報酬(税込) | 0.15336% |
信託財産留保額 | なし |
eMAXIS Slimシリーズ強し!
全世界株式クラスは日本株を含むオールカントリーが3位となりましたが、先に設定された日本株を除くものも人気があります。
誰かに1本進めるとしたら・・・やっぱり全世界株式クラスでしょうか。
最後に、このような素晴らしい企画をボランティアで行われているスタッフの皆様、楽しい時間をありがとうございました。
また、3連休の中日にもかかわらず表彰式では熱いメッセージを頂いた運用会社の皆様にも感謝いたします。
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