インデックス投資界を代表するブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」の著者、水瀬ケンイチさんの新著「お金は寝かせて増やしなさい」が2017年12月8日に発売されました。
もちろん、私もネットで予約購入していたのですが、年末はバタバタとしており読めず、年始休暇でようやく読み終えました。
本書はAmazonの株式投資・投資信託部門でも、長くベストセラーとなっていますが、いわゆる教科書的な投資本に留まらず、実際に投資の波を乗り越えてきた投資ブロガーの生の声だと言う点が一番の魅力だと思います。
私が感じた本書の魅力について、もう少し詳しくご紹介します。
本書の3つの特徴
投資本の旬は短いものですが、本書は発売から2年経つというのに、未だに書店では平積みされている大人気ベストセラーとなりました。何がそんなに支持されているのでしょうか?
1.まさにインデックス投資入門に最適
投資関係の情報は税制や商品などの変更があるため、書籍よりも常に最新の情報が得られる「ブログ」というメディアが有効です。
しかし、ブログ記事というのは体系的な並びになっていないので、初心者が読んでも非常に理解しづらいのが欠点です。
当ブログでも資産運用の始め方について記事にしていますが、もし、投資に興味を持ちはじめた友人が居れば、私はこの「お金は寝かせて増やしなさい」をまず一読して、一通りの基本情報を頭に入れる事から始めるよう勧めます。
以前にも水瀬ケンイチさんと、辛口経済評論家の山崎元さんの共著「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド」がありベストセラーとなりましたが、本書は水瀬さん単独での著作ということで、インデックス投資家個人の目線で一貫して書かれており、漫画もまじえていて、さらに身近に読みやすく感じる内容です。
2.インデックス投資界最古参ブロガーが感じた歴史
実は日本でインデックス投資が個人に身近になったのは、この15年間くらいのものです。
当ブログも2006年2月にスタートしているので、インデックス投資ブログとして結構古い方ですが、私がインデックス投資を始めた時から参考にさせてもらっているのが、本書の著者水瀬さんのブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」です。当ブログで私が伝えたい事はほぼ全て本書にまとめられていると言っても過言ではありません。
特に、第5章リーマンショックを越えてきたインデックス投資家の15年の歴史と そこからわかったこと は、必読の項だと思います。
やはり、実際にリーマン・ショックを乗り越えてきた投資家の生の声はリアリティがあって面白い。
3.インデックス投資の出口戦略についての記載
日本でインデックス投資の出口戦略について情報が少ないのは、その歴史が浅くインデックス投資を実践しているブロガーも30~40代が中心だという理由があります。
本書では水瀬さんの考えが記載されていますが、唯一解ではないので、これをもとに 自分はどうするかを考えていく 必要があります。
インデックス投資の出口戦略については、水瀬さんを筆頭に人生をかけて実験をしているブロガーが居ますので、今後も参考になる情報が増えてくるのではないでしょうか。
例えばNightWalkerさんは既にアーリーリタイアされたインデックス投資ブロガーの代表です。
寝かせて増やす仕組みづくり
本書でも勧められているようにインデックス投資の基本は「ひたすら積立て投資」です。一度、銘柄と金額を設定してしまえば何もする事がありません。
が、継続するにはコツ のようなものがあります。
例えば「家計の把握」「生活防衛資金の確保」「リスク許容度の把握」といった内容ですが、本書の第2章で詳しく述べられています。
つみたてNISAのサポート教材として
非課税制度として、つみたて投資に関する注目が高まっている時期かと思いますが、投資は自己責任です。何の知識もないままに投資の世界に飛び込んでいくのは、非常に厳しいです。
本書は つみたてNISAから投資を始める人のサポート教材 にもなると思います。
ぜひ多くの方に本書を読んでいただいて、正しい理解のもとでつみたて投資を実践して欲しいと思います。
目次
- プロローグ 私がたどり着いた「寝かせてお金を増やす方法」
- 第1章 金融のど素人でもプロと互角以上に戦える「インデックス投資」
- 第2章 寝かせて増やすインデックス投資の実践法
- 第3章 おすすめの金融機関&口座開設の手順と気になるNISAとiDeCo
- 第4章 始めるのはカンタンだけど続けるのは意外と難しい
- 第5章 涙と苦労のインデックス投資家15年実践記
- 第6章 インデックス投資の終わらせ方
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