「世界経済インデックスファンド」は国内外の株式・債券に投資する低コストバランスファンドの代表的ファンドの一つで、私の妻がNISAでコツコツと購入しているものです。
運用報告書がアップされましたのでざっと内容を確認してみましょう。
実質的なコストについて
投信では、事前に明らかにされている信託報酬コストの他に、「売買委託手数料」「保管費用」といった名目でその他のコスト(事前にはわからない費用)がかかってきます。これらのコストを含んだ実質コストが膨れ上がっていないか、運用報告書でチェックします。
信託報酬率(税込) | 信託報酬 | その他コスト | 1万口あたり費用合計 | 実質コスト(税込) |
0.540% | 112円 | 20円 | 132円 | 0.637% |
前回、税込の実質コストが0.703%でしたが、今回は下がっています。
特に保管費用(海外の保管銀行等への支払い・送金等手数料)の低下は為替の影響もあると思いますが良い傾向です。
保有コストは安いに越したことはないですが、これ1本放ったらかしでリバランスも何も必要ない事を考えると、0.637%という実質コスト水準は私としては納得出来るものです。
運用実績について
今期の騰落率は-11.0%。
国内債券を除き、全ての資産クラスでマイナスとなりました。特に新興国株式は-23.3%であり、リスクが大きい事が改めてわかります。
とは言え、これは想定された範囲の変動なので、低迷は口数を増やすチャンスと思って、淡々と積み立てるのみ。
各マザーファンドの状況(注:2015年5月または11月決算時点)
- 国内株式 +42.0% (TOPIX +39.4%)
- 国内債券 +2.3% (NOMURA-BPI総合 +2.3%)
- 外国株式 +29.6% (MSCIコクサイ・インデックス(除く日本、円ベース)+127.2%)
- 外国債券 +14.8% (シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)+15.1%)
- 新興国株式 -5.9% (MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)-8.0%)
- 新興国債券 -11.2% (GBI-EM Global Div(円換算ベース)-10.6 % )
マザーファンドの状況については、決算時期の関係で情報が古いのです。ベンチマークとの差異は配当要因がほとんどで、為替評価差と合わせてほぼ説明できるので良いでしょう。
ただし、新興国債券については例年通り、その他コストが大きくベンチマークに劣後しています。
新興国では仕方がないとなってしまうのかもしれませんが、新興国債券を17.5%も含む当ファンドのアセットアロケーションがどうなのよと気になる(不満な)点です。
当ファンドについて
バランスファンドのまとめ記事でも解説していますが、世界経済インデックスファンドは人気のSMTインデックスファンドシリーズとマザーファンドが同じという点で中身の品質は一定の信用と実績があります。
運用方針である、GDP比に基づく配分が特徴的で、時価総額比に比べると新興国比率が高いので、リスクが大きくなる点を承知出来るかどうかが選択のポイントでしょう。
私個人としては、アセットアロケーションにREITをあえて加える必要無い派なので、比率の高いバランスファンドよりは、当ファンドが好みです。
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