GDP比に基づき国内外の株式・債券に投資する低コストバランスファンド「世界経済インデックスファンド」が1月に決算を迎え運用報告書がアップされていました。このファンドは私は保有していませんが、妻がNISAでコツコツと買っているものです。
ちなみに、投信法改正により2014年12月から投資信託の運用報告書は、「交付運用報告書」と「運用報告書(全体版)」の二段階で発行することが義務付けられました。よりわかりやすく記載内容の見直しも行われており、特に隠れコストも含んだ実質コストが明示されるようになった点が大きいです。
実質的なコストについて
投信では、事前に明らかにされている信託報酬率の他に、「売買委託手数料」「保管費用」といった名目でその他のコスト(事前に見えない費用)がかかってきます。運用報告書ではこれらのチェックが肝要です。
信託報酬率(税込) | 信託報酬 | その他コスト | 1万口あたり費用合計 | 実質コスト(税込) |
0.540% | 103円 | 31円 | 134円 | 0.703% |
悪くは無いのですが、意外と保管費用(海外の保管銀行等への支払い・送金等手数料)が嵩んでいると思います。円安の影響もあるのでしょう。
運用実績について
今期の騰落率は+13.1%。国内、先進国および新興国の株式並びに公社債がいずれも概ね堅調に推移した結果となっています。分配金20円ですが吐き出した事は残念。
各マザーファンドの状況(注:2014年5月または11月決算)
国内株式 +3.9% (TOPIX +1.9%)
外国株式 +17.3% (MSCIコクサイ・インデックス(除く日本、円ベース)+14.4%)
国内債券 +3.2% (NOMURA-BPI総合 +3.2%)
外国債券 +6.2% (シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)+6.0%)
新興国株式 +17.3% (MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算ベース)+14.7%)
新興国債券 +12.6% (GBI-EM Global Div(円換算ベース) +13.7 % )
マザーファンドの状況については、2014年5月(新興国は11月)の決算の状況が添付されていました。ベンチマークとの差異は配当要因がほとんどで、為替評価差と合わせてほぼ説明できます。問題は新興国債券がベンチマークを下回っている点。ポートフォリオ要因、取引コスト、キャッシュ要因及びカストディコストが原因として挙げられていますが、新興国という性質上コストが嵩むのは仕方がない部分があるのでしょう。なので私自身のアセットアロケーションでは新興国債券は組み込んでいません。
その他雑感
その他のノーロード低コストバランスファンドとの比較について、以前に下記記事でまとめています。
世界経済インデックスファンドは人気のSMTインデックスファンドシリーズとマザーファンドが同じという点で中身の品質はある程度の信用と実績があります。GDP比に基づく配分が特徴的(時価総額比に比べると新興国比率が高い)なので、そこをどう感じるかが選択のポイントでしょう。
この記事の感想を下のコメント欄でお寄せください